2.3 閉路解析法
前節の独立な閉路l1,l2,l3のそれぞれに対して、上図のように閉路の向きと同一の向きに閉路電流il1,il2,il3を定めます。これらの閉路電流と各枝の電流i1~i5との関係は、以下のようになります。
i1=il1
i2=il2
i3=il3
i4=il1-il3
i5=il2+il3
これらの閉路電流を求めるため、前節と同様にキルヒホッフの電圧則とオームの法則を適用して式を立てます。
閉路l1:(R1+R4)il1-R4il3=E1
閉路l2:(R2+R5)il2-R5il3=E2
閉路l3:-R4il1+R5il2+(R3+R4+R5)il3=0
この3つの方程式を閉路方程式といいます。また、この式は行列形式でも表され、以下のようになります。
左辺の抵抗を成分とする抵抗行列には、以下の性質があります。
1:対角要素に対して対称(対称行列)
2:各対角要素は、その閉路に含まれる全抵抗の和
3:非対角要素、たとえばij要素は、閉路iと閉路jとが共通の枝をもっていれば、その枝の抵抗となります。ただし、両閉路の方向が互いに逆向きのときには負号がつきます。また、共通の枝がなければ、その要素は0となります。
また、右辺の行列の中身は、その閉路に存在する起電力の和となります。
つまり、行列形式の場合、回路の見た目で式を立てられます。閉路l1では、抵抗R1,R4があるので、行列の閉路l1の位置にR1+R4を入れます。次に、閉路l1とl3の間で、共通の抵抗はR4のみなので行列の閉路l1,l3の位置にR4が入ることがわかります。ここで注意するのは、閉路l1とl2の向きです。この2つの閉路は互いに逆向きなので、-(負号)が付くことがわかります。以下同様に行列に式を入れられます。
<<2.2 枝電流解析法2.4 節点解析法>>前節の独立な閉路l1,l2,l3のそれぞれに対して、上図のように閉路の向きと同一の向きに閉路電流il1,il2,il3を定めます。これらの閉路電流と各枝の電流i1~i5との関係は、以下のようになります。
i1=il1
i2=il2
i3=il3
i4=il1-il3
i5=il2+il3
これらの閉路電流を求めるため、前節と同様にキルヒホッフの電圧則とオームの法則を適用して式を立てます。
閉路l1:(R1+R4)il1-R4il3=E1
閉路l2:(R2+R5)il2-R5il3=E2
閉路l3:-R4il1+R5il2+(R3+R4+R5)il3=0
この3つの方程式を閉路方程式といいます。また、この式は行列形式でも表され、以下のようになります。
左辺の抵抗を成分とする抵抗行列には、以下の性質があります。
1:対角要素に対して対称(対称行列)
2:各対角要素は、その閉路に含まれる全抵抗の和
3:非対角要素、たとえばij要素は、閉路iと閉路jとが共通の枝をもっていれば、その枝の抵抗となります。ただし、両閉路の方向が互いに逆向きのときには負号がつきます。また、共通の枝がなければ、その要素は0となります。
また、右辺の行列の中身は、その閉路に存在する起電力の和となります。
つまり、行列形式の場合、回路の見た目で式を立てられます。閉路l1では、抵抗R1,R4があるので、行列の閉路l1の位置にR1+R4を入れます。次に、閉路l1とl3の間で、共通の抵抗はR4のみなので行列の閉路l1,l3の位置にR4が入ることがわかります。ここで注意するのは、閉路l1とl2の向きです。この2つの閉路は互いに逆向きなので、-(負号)が付くことがわかります。以下同様に行列に式を入れられます。